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ラベンダーの空

ラベンダーの空 17.予感-2

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 それは突然のことだった。以前ルナが、警戒のためにラベンダーハウスの周りに張った結界が、今朝、何者かによって突破されたのだ。

 エルドラの足取りが途絶えてから、外界では、時折黒い霧の発生が報告されてはいたが、目だって大きな事件は何も起きていなかった。それだけに、今回の結界の突破は、近衛隊としては予想外のことだったのだ。

「なんだこれは・・・・」

外界のゲート出口に降り立ったデュークは、目の前の光景に思わず言葉を失ってしまった。


そこには、かつてのシエル山の美しい景色はなく、ただ枯れて荒れ果てた光景が広がっていた。

「なんで・・・、なんで雪がないんだ!」

ルードの里には春の気配が訪れていたが、今の時期シエル山はまだ雪に覆われているはずなのだ。しかし、視界のどこにも雪らしいものは何もなく、どこを見てもカラカラに乾ききっていた。

「ラヴァンっ!」

ジンは低く唸るように言うと、ラベンダーハウスの方角に向かって走り始めた。

「待て、ジン!」

慌ててデュークが止めようとしたが、ジンはその腕を振り解いて、枯れた丘を駆け上がった。

「・・・・ッ!」

小高い頂の上で思わず立ちすくむジンの元へ、デュークと近衛隊が駆けつける。

見下ろすと、ラベンダーハウスがあるはずの場所には、黒い靄のようなものがすっぽりと覆っていた。

思わず頂からラベンダーハウスへ向かって飛び降りようとするジンの腕を、デュークが咄嗟に掴んだ。

「離せ兄貴!あの中にラヴァンとフローラがいるんだ!」

「待て!あれは靄じゃない。魔物が群がっているんだ。うかつに飛び込んでいってもらちが開かないぞ!」

「え!そ・・・そんな・・・」

ジンがもう一度注意深くラベンダーハウスの方を見ると、黒い靄のようなものは、微かにうごめいているのが分かった。

「もう少しだけそばに行くぞ。ココからは3班に分かれて行動する。いいな!」

デュークの指令で、近衛隊はサッとそれぞれの持ち場に向かって姿を消した。



ラベンダーハウスまであともう少しという場所に降り立ってみると、砂糖に群がる蟻のように魔物がラベンダーハウスを覆っているのがはっきりと分かった。その瞬間、一部の魔物がこちらに気づいて襲い掛かってきた。

「来るぞ!」

デュークが声を上げると同時に、サッと剣を抜いて構える。エルドラの生み出した魔物は、魔法使いの発する魔法を吸収して増大することが報告されていた。そのために、魔法を使っての攻撃はでできないために、剣を使って魔物を倒すしかなかったのだ。


「くそぉ!」

ジンは低く唸ると、剣をかざして魔物の群れに切りかかって行った。

ズザッ ズキュッ 

デュークをはじめとする近衛隊の猛者達が、鋭い太刀筋で魔物を一刀両断にすると、切り捨てられた魔物は、瞬時に灰と化して散っていった。

そんな中で、ただ一人、ジンだけが苦戦を強いられていた。ジンも、近衛隊の面々に優るとも劣らぬ太刀さばきを見せているのだが、学生の身分のジンが持っている剣では、魔物を倒すほどの致命傷を与えるには、何度か切り付けなければならなかったからだ。

「くそぉ、これじゃきりが無い!」

思わず愚痴がこぼれたジンの背に誰かがスッと立つ気配がした。

「オンジ?!」

いつの間にか、お告げの洞のオンジが、ジンの背後で加勢をしていたのだ。オンジは、手にした杖で鮮やかに魔物を倒していく。

「苦戦しておるようじゃな?ジン」

含みのある笑いを口元に浮かべてオンジが言った。

「仕方が無いだろ?俺はまだ学生なんだから、演習用の剣しか持ってないんだから」

てこずりながらもようやく魔物を切り捨てて、ジンはオンジに悪態をついた。

「まあ、お前が手にしているものからすれば、健闘しているほうかもしれないのぉ」

「こんなときにお世辞を言われたって、嬉しくもなんともないよ。それより、こいつらをどうにかしてくれ!俺は早くラヴァンを助けに行きたいんだ!」

「それはわしも同感じゃ。それ、ジン。こいつを貸してやろう!」

振り返ったジンに向かって、オンジが一本の剣を投げてよこした。

「え?これを俺が使っていいのか?」

「ああ、構わんよ。ただし、使いこなせればの話じゃがな?」

ふぁっふぁっふぁっ、とオンジは愉快そうに声を上げて笑う。

「ふっ。なんだこんなもの、上等ジャン使いこなしてやるよ!」

ゆっくりと剣をサヤから引き抜くと、青白い輝きを放った刃が現れた。ジンが剣の柄をグッと握りこんで構えると、剣から今まで感じたことの無いような、腹の底にズンズンと響いてくるような波動を感じた。

「オ・・オンジ。この剣っていったい・・・?」

自分の体に伝わってくる重い波動の強さに一瞬戸惑いの表情を見せたが、その直後魔物の群れに一斉に襲い掛かられ、ジンは咄嗟に剣を横になぎ払った。すると

ズザァー!! 

剣の先から蒼い光が放たれ、目の前にいる魔物だけではなく、周囲にいる魔物すべてを切り裂き、魔物は瞬時に蒸発するように姿を消した。

「わぁ」

あまりの切れ味の良さに、剣を払ったジンは尻餅をついて声を上げる。

「な、なんだ今のは!」

突然放たれた光の太刀筋に、デュークが声を上げた。

「なんじゃジン、こんなことで尻込みしているようじゃ、その剣を使いこなすことは出来ぬぞ!」

オンジが声を上げて笑いながらジンの方を見た。

「べ、別に尻込みしたわけじゃ・・。ちょっと切れ味が思ったものと違っただけだ!」

ジンは慌てて起き上がると、ズシリとした重みを持つ剣をしっかりと握りなおして、魔物の群れに切りかかって行った。



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