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ラベンダーの空

ラベンダーの空 17.予感-4

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調合室の扉を開けると、扉の真正面の奥の壁の前にうずくまるようにして倒れたフローラと、フローラをかばうようにして中腰で懐剣を身構えたラベンダーの姿があった。そしてその二人を、わずかに銀色の光を放つ光の玉のようなものが覆っていた。

ジンが二人に駆け寄るよりも一瞬早く、デュークが二人歩み寄り手を伸ばす。しかし、二人を覆う光のバリアのようなものに手が触れたとたんに、デュークは体ごと弾き飛ばされた。ジンは、慌てて目の前に弾き飛ばされてきた兄の体を受け止めた。

「なんだこれは?」

ジンにささえられて体を起こしながら、デュークは驚愕の表情で声を上げた。近衛隊の隊長として、経験豊富なデュークでも、こんな形のバリアは見たことがなかったのだろう。






「そういえば・・・」

ジンが何かを思い出したように口を開いた。

「なんだ?」

「前にフローラが言ってたんだ。ラヴァンは赤ん坊の頃飛行機事故に遭って、その事故の唯一の生存者だったんだけど。そのとき、空から光の玉に包まれた状態で降りてきたって・・・」

「確か、彼女たちは魔法使いの末裔だったな?」

「ああ。まあ、魔法を使うことは出来なかったけど、フローラはオーラを読み取ることが出来て、ラヴァンは治療力を使うことができた」

「そうか、ということは、精霊力を使うことができたということか。だとすると、これは彼女の術なんだな。それにしてもなんていう威力だ・・・」

デュークは注意深く、白銀に光を放つ丸い玉を観察している。

「俺・・・。俺がやる」

薄い光の玉を隔ててジンの向こう側にいるラベンダーは、恐怖に顔を歪ませたまま微動だにせず、じっと扉を見据えていた。しかしその瞳には、もうすでに何も映ってはいない様子で、目の前にいるジンやデュークと視線が合うことはなかった。

「何を言ってるんだお前は。まだ学生のお前に何が出来るんだ!」

「でも、少しでも早くラヴァン達をこの中から出してやらなきゃ!」

「ジン!」

デュークの制止を振り払って、ジンは光の玉に駆け寄りラベンダーに向かって手を伸ばす。しかし、その手はデュークのときと同じように、光の壁に触れたとたんに、バシンッと小さな火花を散らしてはじかれた。

「ラヴァン、俺だよ、ジンだよ。助けに来たよ。ラヴァン?分かる?」

ジンは光の壁に身を寄せると、ラベンダーの顔を覗き込むようにして静かに話しかけはじめた。まるでシャボン球にでも触れるかのように、静かにそっと光の壁に触れたジンの手の平からは、またバチバチッと火花がはじけるような音がする。しかしジンは、一瞬顔をしかめたが、手を引っ込めることはしなかった。

「ラヴァン、ラヴァン」

ジンは目を閉じて、ラベンダーの心に呼びかけるようにして名前を呼ぶ。

-ラヴァン、さっき俺のこと呼んだよね?だから俺、迎えに来たよ。遅くなってごめん-

ジンは心の中でもう一度、ラベンダーに向かって話しかけた。すると、恐怖でゆがんでいたラベンダーが、何かに気がついたような表情に変わる。ジンも何かを感じ取ったのか、直ぐに目を開き、大きな声でラベンダーの名前を呼んだ。

「ラヴァン!ラヴァン!」

名前を呼ばれたラベンダーの顔が、我に返ったように正気になり、ジンに視線を向けた。ジンがラベンダーの視線に、優しく微笑んで頷き返すと、光のバリアは静かにその姿を消し、ラベンダーは気が抜けたようにその場に崩れるように倒れこんだ。ジンは咄嗟にラベンダーの体を抱きとめた。

「ラヴァン?ラヴァン?」

ジンが名前を呼ぶと、ジンの腕の中でラベンダーは静かに薄く目を開く。

「遅くなってごめん。怖い思いをさせてごめん。良く頑張ったね。助けに来たよ。だから、もう大丈夫だから。大丈夫だからね」


ジンの声に、ラベンダーは安心したように微かに頷きすっと目を閉じると、そのまま意識を失ってしまった。ジンは、もう一度名前を呼んで揺り起こしたい衝動をグッと抑えて、しっかりとラベンダーの体を抱きしめた。



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