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ラベンダーの空

ラベンダーの空 19.ルードの里-6

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「ん?どうした?」
目を細めて景色に見入っていたラベンダーに、ジンが声をかけた。

「ううん、なんでもない。ただ……」

「ただ?」

「なんか、ここの景色って、田舎みたいで懐かしいなぁって、そう思っただけ。なんか変だよね?」

「え?なにが?」

「私はさ、あんな山の中で育ってるのにね?田舎みたいだなんて失礼だよね」

へへへっとラベンダーは照れくさそうに笑った。

「失礼だなんて、別にそんなことないんじゃない?」




「……?」


「ああ。お前にだって、魔法使いの血は流れているんだし、田舎っていうか故郷みたいに懐かしさを感じるのかも知れないだろ?」

「そかな?故郷って言うのは合ってるようで違うかも?なんていうのかな?私ね、魔法使いの人たちって、もっとこう、もっと魔法をジャンジャン使って、便利に快適に暮らしてるんじゃないか?っておもってたんだけど……。なんか、ここって、ちょっとレトロって言うか…、昔ながらの暮らし方をしているっていうか…。あ、別に古臭いって言ってるわけじゃないんだよ」

慌てて手を振りながら言葉を紡ぐラベンダーの姿に、気にするなよとジンは言ってから、すうっと大きく深呼吸をして軽く伸びをした。

「言いたいことは分かるよ。実はさ、俺も前は、ルードの里の昔から変わらない暮らし方を頑なに続けているところがなんとも窮屈でさ。いっつも、ここから逃げ出したい。いつかこんな所、出てってやる~~って思ってたんだよ」

「え?そうなの?」

「うん」

「私は良い所だと思うけどな~、ここ」

「そうだな」

「え?なんかさっきと言ってることが違うけど」

「だから言ったろ?前は、って」

「そっか。でさ、なんで今は逃げ出したいって思わなくなったの?」

「え?う~ん。なんでかな?一回外界に行って、気が済んだのかな?」

「え~?」

「な、なんだよ?その疑わしい目は!」

「ジンが行ったことのある外界って、ラベンダーハウスだけでしょ?」

「え?まあ、そうだけど?」

「ってことは、里が田舎だと思って嫌だと思ってたのに、外界に行ってついたところが、もぉ~~と田舎の山の中だったから、自分が住んでたところよりもっと田舎があるんだと思って、安心したって事じゃない?もしジンが行ったのが、もっと都会のおしゃれなところだったら、そんな風には思わなかったのかも?」

「まあ、それは言えるかもね?」

「あ、ひど~い」

「え?うそ、嘘だってば!冗談だよ。俺は、ラベンダーハウスに行かれて、お前とフローラに会えてよかったって思ってる。都会のおしゃれな場所に行きたかったなんて、これっぽちも思ってないよ?」

「ほんとぉ~?」

「うん。これだけははっきりといえる。思ってない!」

「ふ~~ん」

「なんだよ?まだ疑った顔してる。いいけどさ、別に信じてくれなくても。あ~、俺ってカワイソウなヤツだよな~」

「分かった。分かりました。もう疑いません!」

「よし!じゃあ道草食ってないで急ごう!帰りが遅くなると暗くなっちゃうからな!」

「うん」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ふふ……」

「あらなに?今度はあなたが思い出し笑い?」

リビングの向かい側の席からノエルに声をかけられて、ラベンダーはバツが悪そうに肩をすくめて俯いた。

 里を案内してくれた時のことを思い出して、いつの間にか思わず一人で頬を緩めてしまっていたことが恥ずかしかったのだ。

「それで、ジンには里のどこを案内してもらったの?」

まるでラベンダーの考えていたことを見通しているかのようにノエルが言った。その言葉に、ラベンダーは少し戸惑い、目の前のお茶を一口飲み干し、一息ついてから口を開いた。

「いろいろなところに連れて行ってもらいました。街の中だけじゃなくて、北の山の方とか、南の山の斜面とか……」

「そう。南の山の斜面にも行ったの?」

「ええ。魔法の力を使っていくのかと思ったら、駅馬車に乗って行ったんで驚きました」

「そうね、魔法の力で動く乗り物もあるんだけど、街中しか走ってないのよ。遠くへ行くときは馬車を使っているわね。まあ、外界の車や列車と違って馬車だと、ちょっと時間はかかるけどね。里は外界ほど広いわけではないからね」

「そうなんですか。って、おば様も外へ出られたことがあるんですか?」

「いいえ。でも、外の話は、夫がよく話してくれたから……。空の色が違うんですってね?」

「はい。私、前にジンから里の空は色が違うって聞いてはいたんですけど、初めて里の空の色を見たとき、すごく驚きました」

「そう。暮らし方も随分違うのかしら?」

「私が暮らしていたのは、ここからそう遠くない、山の奥でしたから、そんなに違わないんですけど。もっと都会の方は、全然違うと思います」

「そうなの。でももし、あなたがここで暮らして、なにか不便なこととかあったら、何でも言って頂戴ね」

「はい」

ラベンダーの言葉に、ノエルが優しい微笑みで頷き返す。
暫くの沈黙のあと、ラベンダーがおずおずと口を開いた。

「あの、おば様」

「なあに?」

「あの、調べたいことがあるので、本を貸していただいてもいいでしょうか?」

「本?調べたいことって、あなたのお勉強のこと?」

「はい。薬草のことを調べることができる専門書があればと思ったんですけど」

「そう。それなら、学院の図書館を使わせてもらえるように夫に話をしてみるわ」

「え!本当ですか?ありがとうございます!」



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