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頂き物

柏田華蓮様より 6万HIT記念の頂き物「ギュってして?」 (全3話-2)

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 それから私は、3課へ来て仕事を課長直伝で教えてもらっ

て、何とか営業と言う場所と雰囲気とその仕事にも慣れ始め

た。社会人2年目と半年。胸は何だかズキリとするけれど、

この仕事は好きだと思った。
 シメップにいた時とは違って、電話越しに英語やフランス

語が飛び交う事はない。それだけでもなぜか新鮮で、面白か

った。
 そして、課長補佐の仕事だけど・・・とにかく目を通す資料

が多い。や、本来ならば私が目を通して良い代物じゃない。

けど、たぶんこれは営業内で出まわる書類なんだろうと思う

。機密事項は本当に深見さんにしか行かないから。
 で、私は課長が本来するだろう、換算表とか計算が合って

るとか合ってないとか、誤字脱字の確認だとかそんな仕事だ

ったり、課長のお茶汲みだったり。・・・・ある意味召使ねとか

自分で思ってみたりするけど、何だか課全体の事がわかるっ

て言うのは、とても面白かったりする。

「友香、この書類ここの計算違うよ。」

 私が友香の所へ書類を持っていくと、間違った部分を示し

て教えてあげた。今までパソコンに向かっていた友香は、私

の声に反応して顔をあげると、示された部分に目を通して私

を見た。

「え、マジ?課長、何か言ってた?」
「さぁ、何も言われてないけど・・・・」
「ならまだ間に合うわね。ところで、恭子?」
「うん、何?」
「今日のお昼は何か決めてる?」

 尋ねられた質問に私は一瞬考え込むと、肯定をするように

して頭を縦に振った。

「あ、うん。深見さんが誘ってくれた。」
「えっ!?・・・・」

 そう言うと、友香は私の首に片腕をまわして、机の方に私

を寄せて耳打ちしてきた。

「深見さんって、深見課長?」
「うん、そうだけど。それがどうかしたの?」
「ちょっとちょっとぉ、深見課長ってイケ面四天王の一人だ

よ!?それを・・・深見さんって呼んでるあんたって・・・」
「だって、深見さんが課長つけて呼ぶなっていうんだもん。


「はい~?」
「最初に会ったときにそう言・わ・れ・た・の!!」

 語尾を少し強めて友香に言うと、彼女はぽかんとした顔で

私の方を見ると、信じられないとでも言うように口をパクパ

クとしていた。
 私は何がおかしいのかも、何が友香を困惑させるのかも判

らず、彼女を見やると深見さんに呼ばれて、友香を気にしつ

つも自分の席へと戻っていった。

「何か、柄下(えした)に言われたのか?話してたみたいだけ

ど。」
「え、あ、はい。」
「書類の事?彼女の計算ミスは毎度のことだからね。」
「いえ、ただ、」
「ただ?」
「深見さんのことを『課長』と付けて呼ばないのを不思議が

られたと言うか、意外に思われたと言うか・・・・」

 友香の変化を深見さんに伝えると、彼は何だか納得したか

のように、顔を上げて私に言って見せた。

「あぁ、市川さんだけだもんね。『課長』を強制させなかっ

たのは。」
「そうなんですか?」
「うん。思惑通りいったというか・・・」
「え?」

 深見さんの語尾の方は何だか小さくて、私には聞き取るこ

とができなかった。
 それは何を意味するのか。
 そのことを理解できたのはこの時点で、深見さんともしか

したら友香だけだったのかもしれない。
 それから、私はこの仕事場で自分の力を発揮していく事を

決めた。


けれど・・・・・


 私はある日、深見さんに内密な話だといわれ、お昼をそこ

そこに食べると、友香に黙って会議室へと足を運んだ。

「え?シメップが、私を・・・・?」

 そこで伝えられたのは、私の思考が停止するほどの内容だ

った。
 シメップ課は、クリスマス前に外国企業と懇談という名の

商談を、会社の重役を伴って開く。

「そうなんだ。今回ある商談にぜひ、君の力を貸して欲しい

とあっちが言ってきたんだ。」
「どうして・・・・」
「理由は、簡単。――――――アイツだよ。」
「っ!!」
「アイツがね、今回の商談に通訳として参加するんだ。んで

、その商談にはこちら側と相手側に、一人ずつ通訳がつくん

だ。そのパートナーを君に指名してきた。」
「っ・・・」

 深見さんが言うアイツという代名詞は、以前私がシメップ

にいた時に、私を襲った彼のことだ。
 私はその事実に、愕然とすると掌に拳を作って目一杯それ

を握り締めた。
 忘れもしない。彼が襲ってきたのは、ここ1年以内だ。あ

んな事をして、よく私を指名する事が出きる。調子が良いの

も大概にして欲しいと思うと同時に思い出すだけでも、恐怖

が湧いてきて、私は知らないうちに足を震わせていた。
 すると、それに気づいた深見さんは、私の手を掴んで持ち

上げると、それを優しく自分の大きな手で包み込んで、私を

安心させるようにゆっくりと拳を開かせた。

「もちろん、俺は断った。『ふざけるなっ』てね。直接、ア

イツとシメップの課長に。」
「・・・・」
「どれだけ市井さんが怖い思いをしたか、直接見たからね。


「深見さん・・・」

 この時の私は、深見さんの思いやりにとても感動すると共

に、なぜかドキンと跳ねる胸の高鳴りを覚えた。

「でも、たぶん商談には出なくちゃいけなくなると思う。い

くら営業のトップでも、重役たちの命令には逆らえないから

。」
「あ・・・・そう、ですよね。」

 一瞬だけ見えた一筋の光は、すぐに消えて無くなることく

らい私にだって判っていることだ。深見さんの思いやりの光

を翳らせる、彼の存在は私にはとても苦痛にしか思えない。
 だったら、会社を辞めれば良いじゃない。
 そう思った事は何回もある。でも、いざ辞表を出そうと机

の引出しを開けてそれを眺めると、出した後の事をついつい

考えてしまうのだ。
 せっかく、深見さんの配慮で配属されたこの場所。深見さ

んの思いやり。そして、誰よりも私の仕事の事を見とめてく

れる人が、一生あえなくなってしまうという事。
 私は、何て臆病なんだろう。そう思うのはいつもの事で、

こんな自分を変えたいから、必死にお願いしたのに・・・・。

「けど、僕の方も何とか手を尽くして、市井さんをアイツの

隣にさせないようにするよ。」
「え?どうやってですか?」
「・・・・まぁ、お楽しみに、だね。商談の日取りは、来週の夜

からだから忘れないでね。」


次へ。
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